万博×環境 未来を描こうプロジェクト アイデア発表 記録
令和元年度に、2025年大阪・関西万博に向け、多くの若者(高校生・大学生等)から、実現して欲しい環境・まちづくり等の様々なアイデアを集約して発信する、「万博×環境 未来を描こうプロジェクト」を立ち上げ、万博に向けた提言アイデアのとりまとめなどに取り組んでいる。今回は、企業や関係団体等の更なる協力を得て、継続して検討していくため、また若い世代の意識啓発と取組みの促進を図るため、2020年度チームメンバーによるアイデアプレゼンを行いました。
・つくる責任つかう責任:橋本 碧さん
最初に、私たちのチームについて紹介させていただきます。私たちは、SDGs17の目標の12個目の目標である「つくる責任つかう責任」チーム、通称3Rチームと呼ばれています。私たちは3Rの中でもReduceを大切にしていて、近年問題になっている「プラスチックごみ(ペットボトルごみ)に焦点を当てて活動しています。
「2025年に万博敷地内でのプラごみゼロ」という大きな目標を掲げ、目標を達成するために、万博でのプラごみゼロに向けたヒアリングや実証実験、達成するための仕組み作りを行い、博覧会協会へ提案しようと考えています。また、万博が終わった後は、考えた仕組みを大阪から日本全国、世界に発信していこうと思っています。
目標を実現させるための具体的なイメージは、万博規格のタンブラーを作り、規格に合った自動販売機の設置です。万博敷地内のレストランやカフェ、コンビニでも利用できるような仕組みを考えています。他にも、カップの洗浄ブースの設置や、万博後にもタンブラーを継続して利用できるようにするために、万博規格を公開規格にしたいと思っています。
プロジェクト達成のメリットは、プラごみの減量や脱水防止のほか、参加企業が、Z世代やミレニアル世代等の小さい頃から環境に関する教育を受けてきた若者からの支持を獲得できることです。また、万博規格が環境問題に取り組んでいく指標となり、環境問題への意識醸成ができると考えています。
公開規格にすることによって、今まで競合していた企業同士の繋がりをつくることが出来ます。多種多様な企業に参加してもらえば、様々なカップを持てたり、飲める飲料も増える等、消費者側のメリットもあると思っています。また、中小企業も参加できるようになり、大阪の中小企業の応援、地域活性化にも繋がります。
さらに、万博でプロジェクトが成功すれば、企業を越えたシステム運用の実例として「大阪ブルーオーシャンビジョン」を達成し、新しい可能性を世界に示すことができるのではないかと考えています。
これまで、魔法瓶水筒メーカーや飲料水・自販機メーカー、飲料水メーカー、コンビニエンスストア、大阪府の 食の安全推進課にヒアリングを行いました。今後は、消費者視点として、大学生アンケート調査を行う予定です。これからの問題点としては、カップ洗浄は自己責任か、提供者責任かという「衛生面の問題」等が挙げられています。
以上です。ご清聴ありがとうございました。
・SDGs Point:佐藤 由惟さん
私たちが掲げる目標は、「みんなが将来に向けて、SDGsに向けて“行動”できる社会の実現」です。そのために考えている政策は「SDGs Point」です。これはお得に環境に貢献できる地域通貨アプリです。
どのようにポイントが付与されるのかというと、環境に良い行動をすることで、ポイントがたまり、様々なことに使えます。例えば、マイカップを持参しボランティアに参加すると、「SDGs Point」がたまります。
ポイント交換の想定例ですが、今回はSDGsの14番の目標「海の豊かさを守ろう」に沿ってご紹介します。海の勉強会への参加やごみ拾いボランティア、水族館へ行くことでポイントがたまります。たまったポイントは、観光権利やチケット、プレゼント、万博での利用等に使えるよう構想中です。
また、小学生の利用イメージですが、地図上で環境ボランティアや勉強会等を調べ、参加することでポイントが手に入ります。項目ごとに累計ポイントが分かる仕組みも考えています。2025年に控える万博での活用や、社会見学でごみ処理場や水道局のようなSDGsに関する施設を訪問する等、教育にもアプローチしようと考えています。
それぞれのメリットについてですが、ユーザーはお得に環境に貢献でき、報酬を得られ、社会的信用や評価に繋がりますし、SDGsに貢献する店舗・企業は商品やサービスの価値が高まり、認知度向上や利用促進できます。出資企業に関しては、ブランド力の向上やESG投資に繋がります。特に、ユーザーの社会的信用についてですが、どれだけSDGsに関心があるのかという数字の証明や、どの分野に力を入れているのかが分かり、自己分析に繋がると考えています。
今後の展望としては、アイデア実現に向けて原資や運営資金の調達の検討をしており、これが一番問題です。また、「脱炭素ポイント」を検討している大阪府に、SDGs Pointのアイデアを提案しようと思っています。
以上で、SDGs Pointの発表とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。
・学生万博構想:夏山 空さん
学生万博プロジェクトのコンセプトは「大阪・夢洲で世界中の学生が、生まれた環境に関わらず、夢にチャレンジできる社会の創出」です。途上国だけでなく日本でも、ひとり親家庭などの相対的貧困が増え、格差が生まれています。所得だけでなく教育の格差に繋がり、将来の人生設計にまで影響を及ぼしている負のスパイラルを変えていきたい、これからの未来社会を生きて作っていく世界中の学生の力が何よりも重要と考え、学生万博プロジェクトに取り組んでいます。
学生万博でやることは3つです。それぞれに「つながる」「つくる」「たのしむ」というテーマを設けています。未来社会の話をするだけでは興味のない学生もいるので、みんなが楽しめる万博にしたいと考えています。
1つ目の「学生万博会議~つながる~」では、セミナー開催や自分がどういう未来社会をつくりたいかを議論する場にしようと思っています。2025年の開催に向け、まずは、日本万博博覧会協会の森清副事務総長にも来ていただいて、「第一回学生万博会議」を開催し、76名の学生が参加しました。現在、関西学院大学と第2回を企画中で、8月に開催予定しています。自分の作っていきたい未来社会を話し、フィードバックをもらうような場づくりを行い、今後は、関西中の大学を回っていこうと考えています。並行して、学生万博勉強会も行っています。
2つ目の「学生万博パビリオン~つくる~」は、技術開発をしたいという学生のサポートを行うことを考えています。
3つ目の「学生万博LIVE~たのしむ~」は重要だと考えていて、今年の8月に共創パートナーである「みせるばやお」と協力し、無観客で学生万博LIVE2021の配信を予定しています。Youtubeでの配信も予定しているので、楽しみにしていてください。
SDGs目標では、1番「貧困をなくそう」と4番「質の高い教育をみんなに」を達成に寄与したいと考えています。また、大阪にとっても夢洲が学生の中心地となることで、夢洲の付加価値が上がり、世界中の学生が集まるため、大阪関西万博のレガシーの継承にも繋がると考えています。
今後は、万博に向けて年々パワーアップし、万博後も活動を行い、夢洲が学生の拠点になるように頑張っていこうと思っています。ありがとうございました。
・大阪防災プラットフォーム:多田 裕亮さん、峯 有紀さん
大阪防災プラットフォームでは、「災害に強い大阪を実現するために、産官学民による防災活動の共同体」をつくろうと考えています。自主防災組織や行政、企業、教育機関等のいろんなステークホルダーが参画することによって、普段から横のつながりを強化し、有事の際にみんなが一丸となって災害に立ち向かえるようなプラットフォームの構築を目指しています。
大阪府ではNPOとの関係強化や、いざというときに物資の提供をするために、企業との防災協定をたくさん結んでいるものの、自主組織同士やボランティア団体同士の横のつながりは希薄です。僕自身、関西で防災活動をする中で繋がりのなさを実感し、横のつながりをつくるために、関西で学生を主体に防災活動を行う個人・団体間でオンライン交流会を実施する等、昨年度から繋がりをつくる活動を続けています。
大阪府の行政はたくさんの災害対策を行っていますが、大阪府民には伝わっていないという課題があり、府民の防災意識は全国に比べても低くなっています。そこで、防災に関心のない人に興味を持ってもらうきっかけづくりとして、防災と他の分野を掛け合わせ、大阪府民の防災意識向上を図れないかと考えています。
現在はファッションに着目し、プロジェクトを進めています。コンセプトとして「防災をもっとおしゃれにスマートに」を掲げ、防災には興味がないが、ファッションに興味がある方にアプローチします。
大阪発のアパレル企業であるアーバンリサーチは「TEAM EXPO 2025」という、万博をきっかけとしてSDGs達成に向けて動いていく共創パートナーであったことからお声がけし、企業連携で防災啓発プロジェクトを企画する運びとなりました。
本日のご講演にもあったように、いかに自分事化するかが社会課題のキーになると考え、「若者が防災を自分事化する機会を提供する」ことを目的に、普段使いできるような防災グッズの開発を進めています。「防災グッズは普段使えない」というイメージを変え、それを購入してもらうことで災害に強い環境づくりに貢献できるような仕組みをつくろうと考えています。今年中にプレスリリースする予定なので、ご期待いただければと思います。
今後は、大阪防災プラットフォーム実現に向けて働きかけるとともに、「防災×ファッション」プロジェクトを進めていきます。メインはプラットフォームをつくることですが、プラットフォームが実現された後の具体的なモデルケースとして、アーバンリサーチと協力し、プロジェクトを進めていきます。活動を通して、防災活動をより活発にし、意識をより高くすることに貢献できればと考えています。
以上です。ご清聴ありがとうございました。
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